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WILD FLOWERS WILD FLOWERS

2017.12.22 Fri

Love Actually(2003)

すっかりクリスマス映画の定番となった「ラブ・アクチュアリー」。クリスマスに向けて、ロンドンを中心に様々な場所で多数のラブ・ストーリーが交錯する群集劇ですが、ハッピーな物語に混じって、時折ビターな話があるのも印象的でした。
デザイン会社社長のデイヴィッド(アラン・リックマン)とその妻カレン(エマ・トンプソン)という、キャストの中では大人の部類に入る二人の物語もそうです。愛し合う夫婦でも、長く付き合っていると色々とあるもの。デイヴィッドは自分の会社の部下、ミア(ハイケ・マカチュ)が気になって仕方がありません。ショートボブに青い瞳のミアはかなりな小悪魔です。会社のクリスマス・パーティの話が持ち上がり、デイヴィッドに「君がマッチョの彼氏なんか連れてくるところなんか見たくない」と言われると、思わせぶりな態度で「宿り木の下で社長がキスしてくれるのを待ちます」なんて言うのですから。この会話、今なら公的な場では不適切なやりとりだと非難されそうです。

ミアがクリスマス・パーティに着てきたのは、真っ赤なサテンのホルターネックのドレスでした。彼女が自分に自信がある女性なのは間違いがありません。頭にはサンタ帽ではなく、挑発的に悪魔のツノがついたヘッドドレスをつけています。彼女を見た途端にカレンは悪い予感に襲われて、その夜、夫に「彼女には気をつけて」と警告するのです。映画はそんな夫婦の会話の後で、一人で部屋に戻ったミアの姿を映し出します。サテンのドレスを脱ぎ捨てたミアのランジェリーは、そのドレスと同じ色のレースのブラジャーとショーツのセット。短いシーンですが、目を奪われます。もしかして彼女は、一人で家に帰る予定ではなかったのかもしれません。あるいはただ、ドレスに合わせて同じくらいセクシーなランジェリーを選んだのかもしれません。いずれにしても、夫婦に大きな波紋を残すのも無理はないというほど、ランジェリー姿のミアは危険でゴージャスでした。

山崎まどか

コラムニスト、翻訳家。映画や音楽、文学などカルチャー全般に造詣が深く、特に女子という軸から紐解く独自の視点にファンが多い。主な著書に『女子日和』(アスペクト)、『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)など

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