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2017.11.3 Fri

007スカイフォール(2012)

MI6のエージェント、コード・ネーム007ことジェームズ・ボンド。彼が主役の「007」シリーズでは、いつも映画を彩るボンド・ガールたちが話題になります。当然、彼女たちのセクシーな服装にも注目が集まる訳です。シリーズの第一作である「007/ドクター・ノオ」(1962)の登場シーンでウルスラ・アンドレスが来ていた白いビキニの水着は、もはやアイコニックと言えます。首にリボンだけ巻いてベッドでボンドを待っていた「007/ロシアより愛をこめて」(1963)のダニエラ・ビアンキ、バックレスの黒いドレスを着た「007/オクトパシー」(1983)のモード・アダムス、印象的なボンド・ガールのファッションは枚挙にいとまがありませんが、ジェームズ・ボンドが現在のダニエル・クレイグになってからのボンド・ガールでいうと「007/スカイフォール」(2012)のベレニス・マーロウが演じたセヴリンのガウンが圧倒的にセクシーだったと思います。

セヴリンはNATO工作員の情報が入ったハードディスクを奪った男が、ボンドに差し向けた女でした。マカオの豪華なヨットにてシャンパンでボンドをもてなすセヴリンが着ていたのが、ベルギーの有名なランジェリー・デザイナーの手によるサテン・シルクのローブです。クリーム色のなめらかな生地の袖と襟元、そして胸から足先にかけての縁取りにあしらわれた黒い花模様のレースが何ともドラマティックです。リボン結びのベルトの下からのぞく長い足までがレースに縁取りされているかのようでした。そこに包まれている美しい肉体を感じさせる、センシュアルな一着です。ボンド・ガールはガウンを脱いでヌードにならなくても、いや、ならない方がセクシーな女優がふさわしいのです。この映画のセヴリンには悲劇的な結末が待っていますが、観客の心に残るのはその末路ではなく、ボンドを誘惑する時に彼女が着ていたラグジュアリーなローブの方に違いありません。ボンド・ガールの歴史に刻まれるべきランジェリーです。

山崎まどか

コラムニスト、翻訳家。映画や音楽、文学などカルチャー全般に造詣が深く、特に女子という軸から紐解く独自の視点にファンが多い。主な著書に『女子日和』(アスペクト)、『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)など

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