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2018.2.28 Wed

恋は邪魔者(2003)

レニー・ゼルウィガーといえば、彼女の当たり役「ブリジット・ジョーンズの日記」(2001年)を思い出す人も多いはず。そしてブリジット・ジョーンズといえば、ウェストまで覆う大きな補正下着です。しかし、レニーがちゃんと素敵なランジェリーを身につけている映画もあるのです。それが60年代のハリウッドのレトロなロマンティック・コメディの様式を取り入れた作品「恋は邪魔者」(2003年)です。
 舞台は1960年代のニューヨーク。新人作家のバーバラ・ノヴァク(ゼルウィガー)はデビュー作となる自己啓発本「恋は邪魔者」の発売をきっかけにメイン州からマンハッタンへと上京します。「女性が男性と同等の権利を手にするためには、恋は邪魔!」と謳う彼女の本は大ヒット。男性誌の花形記者でプレイボーイのキャッチャー・ブロック(ユアン・マクレガー)は面白くありません。顔を知られていないのをいいことに彼は身分を偽ってバーバラへと近づき、恋を仕掛けてスクープ記事を手にしようとするのですが……。

この映画がお手本にしたのは「夜を楽しく」(1959)「恋人よ帰れ」(1961)といった映画の舞台と同時代のコメディ。レトロユーチャーなインテリアが可愛いバーバラの豪華なアパートのベランダから見えるマンハッタンの景色は書割だし、車の窓からのぞく風景は合成です。ファッションも60年代そのもの。その中にちょっとだけ現代的なエスプリが入っていて、それがこの映画をモダンでお洒落なものにしています。キャッチャーと過ごすことになった運命の夜に、そわそわと身支度をするバーバラのランジェリーにも注目です。レニーが演じるバーバラが着ているのは、ガーター付きのコルセット。黒いレースの飾りがシックで、同じようにスタイルを整える下着でもブリジットのものとは大分違います。その上に黒い縁取りのついたシアーなピンクのガウンを羽織って彼女がアパートで「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」にのせて踊るシーンはキュートでした。「デカパンの女」のイメージ払拭です。

山崎まどか

コラムニスト、翻訳家。映画や音楽、文学などカルチャー全般に造詣が深く、特に女子という軸から紐解く独自の視点にファンが多い。主な著書に『女子日和』(アスペクト)、『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)など

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