momolife

WILD FLOWERS WILD FLOWERS

2017.8.18 Fri

女は女である(1961)

世の中にキュートな女優は数多くいますが、60年代のジャン=リュック・ゴダールの映画に出ている時のアンナ・カリーナほど、「可愛い女の子」であることをエンジョイしている女優はいないのではないでしょうか。1961年に作られた「女は女である」の彼女を見ていると、そんな風に思ってしまいます。この映画を撮った時、ゴダールとカリーナは結婚したばかり。「私を素敵に撮って!」という新妻に、監督がにっこり笑って応えている図が浮かぶようなスウィートな作品に仕上がっています。
 この作品でアンナ・カリーナが演じるアンジェラは、パリで恋人と暮らすストリップ・ダンサー。でも、ストリップといっても少女がカフェでミュージカルの真似事をしているような可愛らしいもので、ちゃんとした舞台もありません。自分でオープンリールのテープを回し、音楽にのって登場する彼女は赤いボンボンつきの水平帽にセーラーカラーのブラウス、白いプリーツスカートというスタイル。ミシェル・ルグランの曲に合わせ、「私はひどい女だけど、誰も怒らない。だって私はきれいだから」なんて歌いながら少しずつ服を脱いでいくのですが、下に着ている赤いリボンのついたビスチェと揃いのズローズはストリップ嬢らしからぬもので、何ともガーリーです。それに真っ赤なタイツを合わせているところもユニーク。

このランジェリーに限らす、「女は女である」のアンナ・カリーナのスタイリングは大変に印象的です。この映画を見て、真っ赤な丸首カーディガンに緑のチェックのスカート、赤いタイツの組み合わせをつい真似してしまったという人も少なくないのでは。ゴダールは流行に敏感で、気に入ったファッションの女の子を街で見かけると買った店などを聞いて映画の衣装に取り入れていたといいます。このビスチェもどこかで見かけて、アンナ・カリーナに似合うに違いないと思ったのでしょうか? 日本では恋人にランジェリーをプレゼントする男子は少ないけど、これくらい愛らしいデザインのものなら送ってもいやらしくないのでは。

山崎まどか

コラムニスト、翻訳家。映画や音楽、文学などカルチャー全般に造詣が深く、特に女子という軸から紐解く独自の視点にファンが多い。主な著書に『女子日和』(アスペクト)、『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)など

LINGERIE IN CINEMAS
TOP