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2019.6.26 Wed

マドンナのスーザンを探して(1985)

1984年、ポップ・ミュージックの世界における女の子像を、大きく変えるスターが誕生しました。セカンド・アルバムの「ライク・ア・ヴァージン」が大ヒットして、スターダムに登りつめたマドンナです。過激でキャッチーなメッセージに溢れた歌だけではなく、彼女はファッションにおいても当時の若い女性たちを牽引する存在になっていきます。レースなどの透ける素材のトップスからブラジャーをのぞかせたり、ビスチェをトップス代わりに着るなど、ポップなファッション・アイテムとしてランジェリーを用いたスタイリングもマドンナのトレード・マークのひとつでした。
その頃に撮影された出演映画が「マドンナのスーザンを探して」(1985)です。映画のオーディションに受かった頃はまだ音楽界で駆け出しの存在でしたが、撮影中に急に有名になったため、ニューヨークでマドンナがロケ撮影をしていると大騒ぎになっていたそうです。この映画でマドンナが演じるスーザンは、気ままに生きている女の子。彼女が気まぐれを起こして、一晩を共にした相手からイヤリングを盗んだことで騒動が巻き起こります。もう一人の主人公である平凡な主婦、ロバータは新聞で「スーザンを探している」という広告を目にします。ロバータが好奇心にかられて待ち合わせ場所に出かけたことで、事態はますますややこしいことになっていくのです。

ここでマドンナが演じたスーザンは、80年代のニューヨークのダウンタウンに現れたホリー・ゴライトリーみたいなキャラクター。元祖下着ファッションの女王であるマドンナらしいスタイリングも数多く登場します。黒のブラが透けてみえる黒いレースのトップスにピラミッドが背に描かれた革ジャンを羽織ったコーディネートは、映画のファッション史に残るものになりました。この映画のマドンナのランジェリー・ファッションで取り分けキュートだったのは、男物の白いランニングシャツとストライプのボクサー・ショーツの組み合わせ。そこにガーターと白いレースのストッキングを合わせるところが、マドンナらしいガーリーなセンスです。

山崎まどか

コラムニスト、翻訳家。映画や音楽、文学などカルチャー全般に造詣が深く、特に女子という軸から紐解く独自の視点にファンが多い。主な著書に『女子日和』(アスペクト)、『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)など

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