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2018.12.26 Wed

マップ・トゥ・ザ・スターズ(2014)

デヴィッド・クローネンバーグ監督の「マップ・トゥ・ザ・スターズ」はハリウッドのグロテスクな面を描いた作品です。この映画でジュリアン・ムーアが演じるのは、ハヴァナ・セグランドという大物女優。まだ美しく、若々しい彼女ですが、ハリウッドは次々と美しくて若い女優が現れる場所です。彼女は不安でなりません。また、自分と同じくやはり女優で、若くして火事で死んだために伝説になった母親の影に苦しんでいます。ハヴァナは自分の母がかつて主演した作品のリメイクの企画を聞きつけ、どうにかしてその映画の役を得ようとしますが、なかなか上手くいきません。
そんなハヴァナが頼りにしているのが、セレブリティ御用達の心理学者スタッフォード・ワイズ博士(ジョン・キューザック)です。彼の療法は独特です。ただ患者の話を聞くだけではなく、整体や気功も同時に行いながら問題を探っていくというスタイルを取っています。どこかお芝居めいている治療法ですが、ハヴァナはワイズ博士の前では無防備な下着姿で彼のなすがままにしています。

この映画では大胆なヌードも見せるジュリアン・ムーアがためらいなく服を脱ぎ、ブラとショーツだけになる姿が印象的です。最初のセッションの時はオレンジピンクの上下、二度目のセッションの時は黒いショーツにミッドナイト・ブルーのレースブラ。彼女が一流ブティックで買い物をしているシーンがありましたが、Tシャツとスウェットパンツの下につけているこのランジェリーも、一目で高級品と分かるもの。カジュアルなスタイルでも下着には凝るところが、いかにもハリウッド女優です。
ハヴァナはいつまでも美しい完璧なハリウッド女優でいようとするあまり、内部が壊れています。パーソナル・アシスタントとして雇われた謎の少女、アガサ(ミア・ワシコウスカ)の目を通してそれが明らかになっていくのですが、アガサ自身も秘密を抱えていて…というストーリーでした。セレブリティの暗部を暴くような暗い物語の中でも、ジュリアン・ムーアは輝いています。

山崎まどか

コラムニスト、翻訳家。映画や音楽、文学などカルチャー全般に造詣が深く、特に女子という軸から紐解く独自の視点にファンが多い。主な著書に『女子日和』(アスペクト)、『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)など

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