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2019.5.8 Wed

プラダを着た悪魔(2006)

ニューヨークのファッション雑誌の世界を描いた「プラダを着た悪魔」(2006)。ハイ・ファッションのドレスが目をひくこの映画のオープニングは、アン・ハサウェイ演じるヒロインのアンディとスタイリッシュな女性たちの朝の対比から始まります。ファッション界に生きるスレンダーな女性たちは毎朝、ランジェリー選びも本気。黒いチュールフリルのついたブラとタンガのセット、黒に白いレースのアクセントがあるセット、レオポルド柄のショーツ……シアーなストッキングとヒールを身につけたら、そこからドレス選びとメイクが始まります。一方、アンディは下着選びにも無頓着です。
そんな彼女が高級ファッション誌「ランウェイ」で“悪魔”と噂される編集長ミランダ(メリル・ストリープ)のアシスタントになったのだから、大変です。ミランダからの理不尽な要求に振り回され、ファッション音痴であることを同僚からバカにされる、地獄のような日々が始まります。そんなアンディを見かねて、ミランダの片腕であるファッション・ディレクターのナイジェル(スタンリー・トゥッチ)が助け舟を出します。彼がこっそり貸し出した撮影用のクローゼットの服で、アンディは華麗な変貌を遂げ流のです。アン・ハサウェイが次々とお洒落なコーディネートで登場するシーンを見て、胸がときめいた人もきっと多かったことでしょう。しかし、このアンディの変身ぶりを喜ばなかった人がひとり。アンディと一緒に暮らす彼氏のネイトです。料理の世界で働く彼からしたら、ファッションの世界は軽薄そのもの。ジャーナリスト志望だったアンディが目標を忘れているのも気になります。

そんなネイトに「新しいドレスは嫌い?」と聞くアンディ。ドレスもジュエリーもどうでもいいという彼に、彼女はドレスのボタンを外し、中に着たランジェリーを見せます。ネイトが目にしたのは、黒いレースに彩られたゴージャスなブラ・コルセット。冒頭のシーンでシンプルな白のショーツを選んでいたアンディが、本当に服の下までファッショナブルな女性に生まれ変わったことを示すシーンです。もちろん、こちらの方はネイトも気に入ったのでした。

山崎まどか

コラムニスト、翻訳家。映画や音楽、文学などカルチャー全般に造詣が深く、特に女子という軸から紐解く独自の視点にファンが多い。主な著書に『女子日和』(アスペクト)、『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)など

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