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2018.9.5 Wed

グリース(1978)

ロックンロールなミュージカル映画として大ヒットした「グリース」(1978)の舞台は1958年の夏。共にティーンのダニーとサンディは海辺のリゾートで恋に落ちます。しかしサンディがオーストラリアに帰国するため、夏休みの終わりと共に二人は離れ離れに。ところが、運命が急変し、サンディがアメリカの高校に転校してくると、そこには愛しのダニーが! 夏休み中はリゾート・ルックのために分かりませんでしたが、実はダニーはポマードでリーゼント・スタイルに頭を固め、革ジャンを着て車を飛ばしカー・レースに明け暮れる不良だったのです。優等生のサンディはそんな彼を見て、ショックを受けます。
彼女をかわいそうに思った同級生のフレンチーは、彼女を仲間達とのパジャマ・パーティに誘います。フレンチーの仲良しは「ピンク・レディース」を名乗るバッド・ガールズ。いつもはグループ名の入った揃いのピンクのジャンパーを着ている「ピンク・レディース」が、パジャマ・パーティでは思い思いの格好をしているのが可愛い。リーダー格でシニカルなリゾはパンティの上に男物らしき紫のシャツをはおってセクシーに決め、いつもみんな笑わせるプッツィーはパジャマの上にスウェットのプルオーバーとリラックスしたスタイル。

注目したいのは、美容学校を目指しているフレンチーと男子に人気のマーティが着ているベビー・ドールです。ショーツがのぞくほど短いナイトガウンのベビー・ドールはもともと、繊維不足の第二次世界大戦中に考案された“省エネスタイル”でした。しかし1956年、映画「ベビイ・ドール」で主演のキャロル・ベイカーがこのナイトガウンで登場すると人気に火がつき、映画にちなんで“ベビー・ドール”と呼ばれるようになります。フレンチーとマーティもその流行に乗った女の子たちだったのです。
一方、サンディが着ているのはくるぶし丈の慎ましいバラ模様のネグリジェ。胸元はしっかりと閉じられています。そんな彼女をからかって、リゾたちが歌うシーンがこのパジャマ・パーティのハイライトです。

山崎まどか

コラムニスト、翻訳家。映画や音楽、文学などカルチャー全般に造詣が深く、特に女子という軸から紐解く独自の視点にファンが多い。主な著書に『女子日和』(アスペクト)、『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)など

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