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2018.4.25 Wed

エリン・ブロコビッチ(2000)

映画「エリン・ブロコビッチ」(2000)でジュリア・ロバーツが演じたのは、三人の子供を抱えるシングル・マザーです。仕事もお金もなく、生活はいつもギリギリ。そんな中、車の衝突事故にまで遭うのだから、本当についていない人生です。でもエリンは、そんなことでへこたれるようなヒロインではありません。怪我をしても事故の和解金を手に入れられなかった彼女は、この案件を担当した弁護士のエドの事務所に押しかけて、そこで事務の仕事をもらうようになります。そして書類を整理している内に、とある大手の電気・ガス会社が引き起こしたカリフォルニアの地域の水質汚染問題に気がつくのです。
企業による汚染とその隠蔽を追求して、被害を被った周囲の住人たちのために多額の補償金を勝ち取ったエリン・ブロコビッチの物語は実話であり、胸のすくようなサクセス・ストーリーです。この問題の調査をしている時も、エリンは貧しいシングル・マザーとしての自分を偽ることなく、堂々と大企業の顧問弁護士に立ち向かいます。

普段の彼女の服装は、大きく胸元が開いたブラウスやぴったりしたプルトップにミニスカート、そして襟ぐりからのぞくプッシュアップ・ブラというスタイル。このファッションのせいで、本来ならば被害者のはずの追突事故の裁判で彼女は陪審員から尊敬されず、和解金を得ることが出来なかったと言えます。エリンと一緒に企業に立ち向かうことになったエドも、当然、彼女の服装を問題視します。しかし、エリンは服装を改めるようなことはしませんでした。そんな彼女だからこそ、水質汚染によって苦しむ労働者階級の人たちも心を開き、エリンのために証言したのです。エリンのプッシュプラで持ち上げたバストは、決してあきらめない、前向きな女性の勇気の象徴とも言えるものでした。大胆な服装でも過剰にセクシーになることのない、さっぱりとしたエリン・ブロコビッチを演じて、この映画でロバーツはアカデミー賞の主演女優賞に輝いています。

山崎まどか

コラムニスト、翻訳家。映画や音楽、文学などカルチャー全般に造詣が深く、特に女子という軸から紐解く独自の視点にファンが多い。主な著書に『女子日和』(アスペクト)、『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)など

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