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2018.11.8 Thu

レイヤー・ケーキ(2004)

マシュー・ボーン監督の「レイヤー・ケーキ」(2004)は今から14年前の作品。まだスターになる前の俳優たちが沢山出演しています。主演の麻薬ディーラーを演じるのはダニエル・クレイグ。自分が仲介して購入したドラッグがボスニアの危ない組織のものだと判明し、トラブルに見舞われる男の役でしたが、銃を構える姿は既にジェームズ・ボンドを思わせるところがあります。後に彼と「007」シリーズで共演することになるベン・ウィショーも小さな役で出演しています。ダニエル・クレイグの部下を演じたのは、まだ若いトム・ハーディ。そして、ベン・ウィショー演じるシドニーがバーに連れて来たのを見て、クレイグが一目で心を奪われてしまうヒロインのタミーの役に選ばれたのが、売り出し中のシエナ・ミラーでした。2004年は当時の恋人だったジュード・ロウと「アルフィー」で共演した年でもあります。シエナ・ミラーのブレイク・イヤーでした。

この時のシエナ・ミラーは上り調子の新人女優だけが持つ、独特の不敵な魅力で輝いています。タミーは電話で挑発的にクレイグ演じる主人公をホテルに誘います。ホテルに彼を待たせておいて、遅れて現れたタミーは片手に黒いリボンのついたショッピング・バッグをぶら下げていました。どこかで買い物に寄って来たようです。タミーは彼をその気にさせた後、急にバスルームへと消えてしまいます。彼女にはやることがあるのです。ショッピング・バッグから現れたのは新品のランジェリー。まるでパーティのためにドレスを着るように、彼女はそれをバスルームで身につけていきます。シアーなストッキングをガーターベルトで留めて、ストラップにリボンがついた黒いレースブラをつけて、鏡でメイクを直す。それで準備完了です。黒のランジェリー姿のシエナ・ミラーはパーフェクトでしたが、ベッドルームに戻って来たスタイリッシュでセクシーな彼女を、ダニエル・クレイグが見ることはありませんでした。ホテルの職員を装ったギャングのメンバーに拉致されて、既に連れ去られた後だったのです。ランジェリーでポカンと立っているシエナ・ミラーがキュートでした。

山崎まどか

コラムニスト、翻訳家。映画や音楽、文学などカルチャー全般に造詣が深く、特に女子という軸から紐解く独自の視点にファンが多い。主な著書に『女子日和』(アスペクト)、『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)など

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