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2017.7.21 Fri

お熱いのがお好き(1959)

マリリン・モンロー。その名前を口にするだけで柔らかそうな肢体が目に浮かぶ、ハリウッド黄金期を代表する女優です。セクシーでスウィートな雰囲気の彼女のランジェリー姿の前では、どんなゴージャスなドレスの女優もかすんで見えるほどです。地下鉄の通気口の上でスカートを翻す「七年目の浮気」や悪女を演じた「ナイアガラ」など、印象的なランジェリーのシーンが多いマリリンですが、ここでは1959年に彼女が出演した「お熱いのがお好き」を挙げたいと思います。
 名匠ビリー・ワイルダーのこの映画は、1920年代終わり、偶然にマフィアの殺人現場に居合わせてしまった二人のジャズ・ミュージシャンが、カモフラージュのために女装して、女子ばかりの楽団に加入してシカゴから列車でフロリダに逃げようとするというコメディです。その楽団にいたのが、マリリン・モンロー演じるシュガー・ケーン。スカートをめくってガーターに挟んだフラスコを取り出し、こっそりお酒を飲む彼女に、女装男子二人は一目惚れしてしまいます。シュガーは彼らを女性だと信じて疑わず、みんなが寝静まった後、その内の一人、ジェリーの寝台車のベッドにやってきます。二人きりで楽しもうと思っていたジェリーですが、お酒があることが他の楽団員の女子たちにバレて親密な会合はあっという間にパジャマ・パーティに転じていきます。シュガーを演じるマリリン・モンローがこの時に着ていたのが、黒いファーでトリミングされたシアーなネグリジェです。中に着たレースのスリップが透けてみえるばかりか、大きく開いた襟ぐりから、豊満なバストがこぼれ落ちそうなほどでした。他の楽団員がパジャマ姿、女装男子二人にいたっては体が隠れるロングのナイティという中、このセクシーなシュガーのスタイルは際立っていました。

50年代にレトロな20年代を舞台にした映画を作るということで、「お熱いのがお好き」はモノクロで撮られています。白と黒のコントラストが効いたシュガーのネグリジェとランジェリーのコーディネートは、モノクロ画面でマリリン・モンローの白い肉体を引き立てるのにぴったりだったのです。

山崎まどか

コラムニスト、翻訳家。映画や音楽、文学などカルチャー全般に造詣が深く、特に女子という軸から紐解く独自の視点にファンが多い。主な著書に『女子日和』(アスペクト)、『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)など。

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